やまぞう

三度目の殺人のやまぞうのレビュー・感想・評価

三度目の殺人(2017年製作の映画)
5.0
是枝裕和監督の法廷心理サスペンス。

30年前に殺人を犯し、再び職場の社長を残虐に殺した男 三隅(役所広司)の弁護を引受ける重盛(福山雅治)。

死刑確実と予測される三隅を減刑する「勝ち」にこだわる弁護士の重盛は、二転三転していく三隅の話に振り回されるうちに、次第に事件の真相にたどり着いてゆくのだが...

裁判は、事件の真相をつまびらかにする為ではなく、裁判官・検事・弁護士それぞれの忖度によって「落としドコロ」が決まるのかぁ〜。
犯人や被害者、被害者の家族への共感や理解しようとする姿勢すら無くビジネスライクに量刑を争う司法というシステムが恐ろしいよ。

よくニュースで残虐な殺人犯の判決を見るたびに「こんなヤツ死刑で当然なのに、何で無期懲役なんだよっ。」と不思議に思う事があるケド、こーゆー事なんだと勉強になったが、それはこのお話の本筋ではありませんので悪しからず。

予てから思ってたのだが、男も女も憧れるイケメン福山雅治は、その非の打ち所がないイケメンっぷりが逆に胡散臭く、個人的には鼻持ちならない男感が魅力なのだが、
今作はその鼻持ちならない度が存分に発揮され、グッド。

このお話はサスペンスだが、登場人物の殆どが、真実にあまり興味が無い人たちだもんで、真相を追い求めるべく激しい攻防戦が繰り広げられるでもなく、のらりくらりと二転三転していくのがかえってリアル。

そして、モヤっと感が残るのであった...。
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