動物パニック映画の中でも、サメを題材にした映画ほど数多く作られた作品は類を見ず、それは紛れもなくエポック・メイキング作である『ジョーズ』の登場とその影響力によるものだ。
以降、派生し続けたサメ映画は、確信犯を含め？そのどれもが亜流だったが、99年のレニー・ハーリン監督による『ディープ・ブルー』の登場で、近年は単なる “ヒトとサメ”に限らない工夫を凝らした作風が増えた気がする。
そしてまた、低予算ながらアイディア勝利の新しいサメ映画が誕生した。
女性ふたりが入った観光用檻が海底に落下し、物語の大半が“海底”という限られたシチュエーションの中で、無線が届かない不安と深い闇の底で待ち受ける人喰いザメの恐怖に加え、残された酸素や潜水病など、敵は“サメだけではない”エレメントを上手く盛り込んでいる。
201 2020
