太陽が照りつけるカリフォルニア州、サンディエゴのビーチはいつもの賑わいを見せていた。
そこに焼かれた魚の死骸が頻繁に波打ち際に打ち上げられていた。
ライフセーバーのジーナとカプランはその謎を追っていくが、核実験の影響により進化したサメだと判明。
核弾頭シャークが人類を絶望の渦に陥れるパニック・アクション。
昔、事故で沈んだらしい原潜の影響で原子炉と化したサメが人を襲いまくるというトンデモストーリー。
明らかに『シン・ゴジラ』に便乗した邦題とタイトルロゴです。
原題のアトミック・シャークをギリギリでシンゴジ人気に便乗させた日本の販売元のすばやい判断には驚かされました。
タイトルからして明らかに地雷サメ映画だが、そうと分かっていても観てしまうサメ映画フリークにはお勧め。
Z級映画が溢れかえるサメ映画の中では秀作の部類だと思う。
アホぞろいのライフセーバーがウケるし、ヒロインのお姉ちゃんが勇ましいし、クライマックスは意外にハラハラするし、低予算物の中ではなかなかの出来でした。
ドローンや、SNSを駆使してる部分が最近の映画だなという雰囲気です。
この映画のサメの特徴は、放射能に汚染している事。
汚染具合は半端なくて、船とかに噛みつくと燃え上がり、プラスチックのオモチャは側にあるだけでグニャグニャに曲がるほど。
映画の序盤には原爆の恐ろしさの説明が入ります。
ストーリーはとても大ざっぱなゴジラ的要素のジョーズって感じで、成り立ちの根拠も曖昧で、学者も出て来ないので生態も曖昧。
話の展開としてはとくに取り柄のない平凡なストーリーですが、個人的には笑いのセンスがツボで楽しめました。
触れるモノは燃やされ、被爆した魚を食べたヤツは爆発するしで、なにもかも科学的根拠無しで突っ込みどころ満載です。
しかし、馬鹿なだけの映画かな?と油断していると、結構容赦ない展開にビックリします。
普通なら死なないようなキャラクターまでみんな死ぬ。
放射能は人を選ばない、恐ろしい存在である事を描いているのかな?
だが、ビーチの日常を映したようなだらけたシーンが多い。
別に人間ドラマなんてどうでもいい。
あと、メルトダウンジョーズの発想までは良かったけど、海水冷却を持ち出しちゃったのは失敗かも。
そもそも海の中で魚を丸焦げにできるなら海水は常に沸騰しっぱなしのはずだし。
あと、ビーチが舞台なのですが思ったほど水着の美女がいないんです。
オッサンはいるんですけどねぇ。
まぁ、真剣に観る映画じゃなくて、気軽に観る映画ですね。
暇つぶしにはいいかも。