akihiko810

ボストン ストロング ダメな僕だから英雄になれたのakihiko810のレビュー・感想・評価

3.8
gyaoで視聴。アメリカの伝記映画。
ジェイク・ジレンホール主演。

2013年に起きた「ボストンマラソン爆弾テロ事件」で現場に居合わせ被害に遭ってしまうジェフ・ボーマンという男性の、その経緯と事件遭遇後の人生を描く実話。

「悲劇によって英雄に祭り上げられてしまった」凡人の話。英雄視されてもプレッシャーに耐えられないし、何より自分はごく普通のダメ人間なのに…。
ジェイク演じるジェフはたしかに、約束もすっぽかすし父親になったらなったでそのプレッシャーから逃げてしまう「等身大の」ごく普通の(ダメな部分もある)青年だった。そんな彼が最後に英雄たりえたのは、ごく普通の市井の人々ーー順風満帆ではなくとも懸命に日々を生きる人々ーーこそが尊いのだ、というメッセージなのだと思った。

そしてこの映画で思い出したのは「五体不満足」の乙武氏。映画と同じく足がなく、聖人君子に祭り上げられるも、不倫騒動ですっかり失墜。乙武が語っていたことだが、「僕は決していい人じゃないし、メディアにもそう語ってきたけど、マスコミはその部分を伝えなかった。僕にそういうのは求められてないんだな、と思ったけど、今回の騒動で、素の僕がやっと出せると思った」と言っていて、いつの世も「偶像」というのを求めて祭り上げたり叩き落したりしてるんだな、と思った。
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