ベビーパウダー山崎

花と蛇 飼育篇のベビーパウダー山崎のレビュー・感想・評価

花と蛇 飼育篇(1986年製作の映画)
2.5
連れ去られてSMで調教されていく小川美那子が性の奴隷を受け入れるまでの変化がうまく描かれていない。抗うのをやめた、過程からその瞬間(ドラマ)を粘り強く劇的に映せなくなってしまった西村昭五郎に作家としての衰えを感じる。ほぼ工場での撮影、せめて裏ビデオの女優としての登場の場は別のステージを用意してほしかったが、予算や諸々で厳しかったのかもしれない。86年、ロマンポルノの終りが近い。シナリオは掛札先生、「贅沢してるから肌の艶がいいや」という台詞が粋で良かった。港雄一のドスの利いた声、裏社会の人物でしかありえない存在感に+0.5。