Kazumi

羅生門のKazumiのレビュー・感想・評価

羅生門(1950年製作の映画)
5.0
芥川の「羅生門」「藪の中」は救いがなくて、暗い海に沈むような結末。
それはそれで人間不信の教科書を見るようで楽しく、笑い飛ばす余裕のある自分を顧みて安心する。

どいつもこいつも嘘つきめ!と思った矢先に用意された雨上がりは劇的。
美学の授業で言ってた「カタストロフィ」とはこの事なのかなと思ったり。
いい本。

京マチ子さん追悼で2回目。
一度見たときはその鬼女ぶりに慄くばかりだった。
二度目は女の身体に込められてきた鬼の完全再現にゾッとする。人の形をした鬼は在る。
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