すずき

劇場版 マジンガーZ / INFINITYのすずきのレビュー・感想・評価

4.2
Dr.ヘル、そしてミケーネ帝国との戦いが終わった10年後。
光子力エネルギーは人間の技術を急激に進歩させ、平和な世界となっていた。
そんなある日、富士山麓の地中で超巨大な魔神インフィニティが発見される。
魔神の制御装置であるアンドロイド少女リサは、研究員となっていた兜甲児をマスターと認識する。
彼女の説明によれば、魔神は世界を作り変える装置であり、甲児は魔神とリサは隣接次元から転移したのでは?と仮説を立てる。
そんな中、倒したはずのDr.ヘルの一味が突如出現しインフィニティを占拠。
Dr.ヘルは、光子力エネルギーさえ渡せばこれ以上の攻撃はしない、と世界に揺さぶりをかけるが…

TVアニメ「グレートマジンガー」の続編となる劇場アニメで、主役は初代マジンガーのパイロット、兜甲児に復活!
「グレンダイザー」とは繋がらない平行世界なのかな?と思ったけど、監督によれば繋がってる構想なのね。

前作主人公の剣鉄也は今回は囚われのヒロイン役。
とはいえ、グレートはオープニングシーンで八面六臂の大活躍を見せる。
マジンガーZのアクションが楽しめるのがかなり後半になってからなので、オープニングでグレートの活躍シーンを入れた判断は大正解!
機械獣の撃破数で言えば、マジンガーZにダブルスコアぐらい差がついてるような。流石戦闘のプロ!
しかしグレートブースターは射出出来ずに残念。

もちろん、マジンガーZの活躍も負けてはいない。
グレートと共に改良に改良を重ね、10年前より大幅強化!
身長も18mからグレートと同じサイズの25mにアップし…ってそれ、改造っていうか新造してない?デカくなりすぎだろ。
劇中で破壊された博物館のレプリカのマジンガーZが本物だったのでは。
でも昔から、マジンガーZとグレートが並ぶと、明らかに7mも身長差が無いのよね。
倍ぐらいのサイズであるゲッターロボとも見た目ではそんなにサイズ差無いし、ダイナミックプロ世界には大きさの設定には大した意味は無いのかもしれない。

話が大きく脱線したので元に戻すと、やっぱり元祖スーパーロボット、マジンガーの火力はヤバい!
内蔵火器多すぎ!
どこにそんな量のミサイルを仕込んでるんだ?とツッコミたくなるほど撃ちまくり、冷凍ビームや大車輪ロケットパンチなどのマイナー技も披露する、サービス精神溢れる戦闘シーンに満足しました。

マジンガーのデザインはあちこちにモールドが付いた現代風な解釈で、旧アニメの鋼鉄の塊のような印象とは離れてしまった。
3Dのロボットって、一度モデルを作ってしまえば、線がいくら多くたって動かすのは(手描きに比べて)楽なんだけど、演出に嘘が付き難く、重さが出しづらい。
それを考えると、今回のリデザインはアリか。

あと声優の演技も良かった。
剣鉄也の関さんも良かったけど、イチオシはやはり主人公の兜甲児演じる森久保祥太郎。
石丸博也の兜甲児を意識した演技で、声は違っても違和感が無い!
技名の言い方(この世界のロボの武器使用は音声認識がデフォ)とか特に顕著。
「ロケット・パンチ!」でも「ロケットパァァァンチッ!」でもなく、「ロケットパーンチ!」なのが石丸博也の兜甲児っぽい!
割と淡々とした言い方というか。

あとは高木渉のボスも、男気溢れるラーメン屋のオヤジとしても、昔と同じギャグキャラとしてもピッタリだったし、
藤原啓治さんのブロッケン伯爵も、残虐非道だが時にはギャグ調にもなってしまう小物感に合ってた。

新キャラのリサも、上坂すみれの演技が良い意味で劇中の特異な存在として浮いていた。
やたら兜甲児とイチャイチャして、さやかさんの事10年もほったらかして可哀想だと思ったけど、リサの正体(と言っていいのか分からんが)を知れば、それも許せる!

あと死んだ筈のDr.ヘル達が蘇った理由って、劇中でなんか言ってたっけ?
あいつらも隣接次元とか平行世界とかから来た存在なのかな?

マジンガーが人気であるイタリア・フランス・スペインとブラジル?がさりげなく出てくるのに笑った。
あと剣鉄也の盆踊り回想シーンを真面目なシーンに捩じ込むのにも笑う。