勝ったのは農民だ

DESTINY 鎌倉ものがたりの勝ったのは農民だのネタバレレビュー・内容・結末

DESTINY 鎌倉ものがたり(2017年製作の映画)
2.8

このレビューはネタバレを含みます

自分は、山崎貴監督作品は比較的好きです。もちろん、自分のなかではダメな作品もありますが、『リターナー』『ALWAYS 三丁目の夕日』シリーズ、『永遠の0』なんかはすごく好きな映画です。

ただ、自分みたいな支持者がいる反面、世間からの批判が多い側面を含んでいることも理解は出来ます。
『ALWAYS』も、昔を美化し過ぎて未来に希望が持てないみたいな風に解釈する人も多いそうですね。原恵一監督の『クレヨンしんちゃん オトナ帝国の逆襲』も大好きな作品ですけど、あれは『ALWAYS 三丁目の夕日』のアンチテーゼ的な作品だと思います。

『永遠の0』も実際、特攻の悲劇的な話なんですが、見るひとによっては(特攻が美談)みたいに解釈される人も多いそうですね。

で、今作に関してはやっぱり(人間の限りある命の美しさ)みたいなのがなくなっているので、正直、その嫌な部分の方が印象が強かったです。失敗作とまでは言いませんが少なくとも泣きませんでした。

それにどうしても現実世界とファンタジーの混ざった世界ですから、CGの違和感というか安っぽさみたいなのが『実写版宇宙戦艦ヤマト』ほどではありませんが、少し感じました。『ALWAYS』みたいに現実的なものを忠実に描くためにCGを使うくらいが違和感なくちょうどよかったんだと思います。

あと、『リターナー』を見た時もリュック・ベッソンの『レオン』に似てるなぁって思いましたけど、今作も色んな作品(特に『千と千尋』)に似せてるなぁって思いました。タイトル通り(運命)的なものって意味では『君の名は。』とも似ています。

いい点を挙げていきましょう。
死神役の安藤サクラさんがすごくはまっています。これも原恵一監督作品の『カラフル』に出てくる死神役に似ているはいるんですが、かなり軽いテンポで憎めないキャラクターです。安藤さんの声もよかったです。

それに、高畑充希さんはうまかったです。正直、顔立ちはタイプではないので可愛いとはあんまり思わないですが、かなり演技力はあると思います。でも、恋愛というよりは夫婦愛の話なので変に今風の美人よりかは彼女が適役だとも思います。
彼女の演技と佐藤直紀の音楽でだいぶ感情移入しやすくはなりました。

キャスティング面に関しては、今までの『ALWAYS』『永遠の0』『海賊と呼ばれた男』なんかに出演していた人たちが、かなり出ています。田中泯さんが貧乏神になってたり、ちらっとしか出ない橋爪功さんや國村隼さんも含めて豪華キャストというか、勿体ない気もします。
そういう意味では山崎貴監督の今までの集大成みたいな作品ではあるんですが、今作は少し期待はずれでした。前作『海賊と呼ばれた男』もあんまり良くなかったですが、それでも多分、山崎貴監督作品は観続けると思います。
東京オリンピックの演出も頑張って欲しいです。