まりぃくりすてぃ

プリンシパル 恋する私はヒロインですか?のまりぃくりすてぃのレビュー・感想・評価

1.2
ハブ決定。ふんっ。

冒頭の車移動シーンは“原作に忠実”宣言。青空以外はね。主演の黒島結菜さんのヴィジュアルが糸真ちゃんのイメージ破りだったから、曇り空につられて私は寒々当惑。まあ、初々しい子ではあるね。(昔の角川映画アイドル臭みたいな古っぽさも。。。)

とりあえず、本作の良い点。
❶弦率リッパな小瀧望くん! 和央度カンペキ?高杉真宙くん! この二人に一対二でオモチャにされたくもなった。(ただし、ジャニ喋りなんかせず女子にも誰にも腹からの声ばかりをぶつけていってほしかった。)
❷助演(晴歌役)の川栄李奈さんが、演技的にはほぼ独りでこのボロボロ映画を支えてた。弦との別れは本作中唯一の迫真シーン!! いっそ川栄さんを主役にした方が。。。


悪いとこも書こう。

てか、残念、残念って、とにかく黒島さんを結局最後まで拒否りながら観た。万人モテするキャスティングのつもり? ダメダメ。もっと女眉で、もっと二次元ぽいスイートさを持ってる子じゃなきゃノン。黒髪の重たさは仕方ないとして、せめて原作に真に忠実にワンカールボブにしてほしかったし。そして、演技力全然ない女優だし。
終盤、「バカ弦ーっ!!!」って、もっと喉から血が出るぐらいに大声で叫んでよ。

題名につながる重要モチーフの一つがバレエだったんだけど、、、私、友達に元バレリーナが何人もいるからいろいろ知ってるよ。子供時代にバレエやってた女性って、二十歳越えてもまず例外なくずっとずーっとスリムだよ。おそらく一生スリムだと思う。プロフィールなんて見なくても、ドテドテッとした踊り方や平凡な胴回りで、黒島さんにバレエ経験ゼロってこと一目でわかった。
だから、「プリンシパル」という最大のキーワードが、肝心のラスト付近ふくめてすごくむなしかった。「あなたなんか主役として認めないよ。ねえ、みんな」と呼びかけて本当にハブってやりたくなった。だって、彼女に感情移入なんてまったくできなかったもん。晴歌と金ちゃんの気持ちだけは私かなり気になったけど。
むしろ黒島さんは、札幌の教室になら一人ぐらいいてもおかしくない(目ヂカラあって毛深そうな)アイヌ系の生徒として、脇役だけやればよかったんでは? べつに彼女が憎いというんじゃないけど、鏡を二時間見てるのとそう変わりない普通さ&熱苦しさが、私と原作漫画との蜜月に割って入ってジャマだった。(『ひまわり』はマイ高評価作なんだけど、あれのどこに出演してたの?)

作品全体、ローカル感ほぼゼロなのもがっかり。「行くっしょ」「したっけ」「なんもない」「はんかくさい」「なげる」とかちょっとでいいから方言的なもの交ぜてくれないと、それに道産子らしいボソボソ喋り(もちろん滑舌のやたらよい人も実際いるだろうけど)を誰かがしてくれないと、わざわざ冬場の札幌まで行って実写映画にした意味がない。夜景なんてどこにでもあるじゃん。内地からの転校生のくせに早々と冬道をコートのポッケに両手突っこんで歩くなんて、凍結多い北国をナメてる。
イケメンなばかりで漫画キャラにも映画キャラにも結局なりきれなかった二、三人にも後半うんざりしちゃった(例えばこんな者たちに大学受験なんてしてもらいたくない感じだ)し、ただの浮かれた内地人たち&南方出身者がキャッキャ言いながらジンギスカン食べに行ったついでに長期バイト的なお芝居の練習会を済ませただけのよう。期待してた分、ダメージ受けた。