めかぽしや

きみの鳥はうたえるのめかぽしやのネタバレレビュー・内容・結末

きみの鳥はうたえる(2018年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

佐藤泰志原作の映画は
『そこのみにて光り輝く』
『オーバー・フェンス』
と観てきましたが、
どれもとことなく似てますね。
若さゆえの閉塞感とか切なさとか。

佐知子は同性から見ても嫌なタイプ。
次々に男を乗り換えていって
面倒くさい関係を嫌って。
過去に何かあったのかなー?
なんて思わせる。

僕を演じる榎本佑のつかみどころのない
表情は見事で、
僕の前に佐知子が登場してから
人を愛する喜びと悲しみを得ることができて人間味が増してきたのかな。

僕と同居している静雄は
常に遠い目をしているけど
きれい好きだし、灰皿にコーヒー豆のカスを入れるくらいマメな男。
(そもそもコーヒーをドリップで入れる事だってあの環境なのにマメ)

僕と佐知子の関係が静雄が登場して
時間がたつにつれてバランスが崩れてくるのはあのSFなTシャツの小物使いで
上手く表現されていたと思う。

最初と最後に僕が数をカウントするシーンもとても良かった。

最後、僕が佐知子に静雄と恋人になると
宣言されいつもの僕ならざる行動をしてその後どうなったのかな。
人それぞれ想いは違うと思う。
劇中で使われていた
“オリビアを聴きながら”も相まって
凄く切ない…
わたしは杏里の時代だけど
同じ杏里の
“悲しみが止まらない”
の逆パターンよね、と
とても辛かったし、とても良かった。


関西公開初日で
三宅監督が挨拶に来てて、
質問で
“原作ではビートルズのAnd Your Birds Can Sing を静雄が歌うシーンがあるのに映画ではなぜ無かったのか?”
と聞かれてましたが
権利料が高額なため諦めたそうです。
曲は使われなかったけど
題名で活かされてますね。
めかぽしや

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