鋼鉄隊長

アンデッド刑事<デカ> 野獣捜査線の鋼鉄隊長のレビュー・感想・評価

2.5
シネ・リーブル梅田にて鑑賞。
「未体験ゾーンの映画たち2018」上映作品。

【あらすじ】
ロサンゼルスは犯罪組織「フォーチュン500」に牛耳られて無法地帯と化していた。この現状を打破するべく、ロス市警は秘密兵器「アンデッド刑事」を開発した…。

 アメコミ風のアニメで始まり、陽気なテーマ曲で締めるポップなノリ。そしてキャラクターが魅力的。サングラスに凛々しい髭、ビシッときめた制服姿で敵をなぎ倒す「アンデッド刑事・ダウン巡査」はもちろんのこと、その宿敵「フォーチュン500」の面々が良い。『快傑ライオン丸』みたいな見た目の敵幹部たちに、SMコスチューム姿でおどおどと幹部に報告する下っ端雑用係。中でも特に、和柄のジャージ?を着て中国語を話す黒人武術家「禅マスター・フラッシュ」は、バカバカしい設定が既に面白い。
 しかし、演出がてんでダメ。序盤のベッドシーンで、スクリーンの右下に挿入されるセンスの無い「ORGASM COUNTER」。ショット切り替えが多すぎてよく分からないアクションシーン。やたらに斜めを向いたカメラ視点に、場面転換の度に映る早回しの風景映像……。安いドラマのような冗長な演出がひたすらに続く。さらに、終盤の見せ場でもあるダウン巡査の蘇生シーンでは、スクリーンを直視できないほどの強烈な光の点滅が、激しいショット切り替えと共に観客を襲う。それは正に「ポリゴン・ショック」の再来。軽い吐き気を感じながらフラフラと劇場を後にした。
 まさか映画で酔うとは。ある意味で未体験の映画ではあったが、嬉しくない体験だった。
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