圧巻の作品。復讐モノは大好きで、前から気にはなっていたのですがようやくです。画作りが凝っていてすごく好きな作品でした。過剰な演出も好みです。長い監禁生活の中の絶望感が彼の復讐心を後押しして、見ている側も応援したくなる。「何故？」の真相も追い打ちを駆ける。復讐とは相手を自分が経てきた苦しみを理解させるために、最終的に自分と同じ土俵に上がらせる事。駆り立てらえた復讐心が己を突き動かす心理は説明など要らないし、それを咎める理由もない。同じ土俵に上がらせた時の達成感は筆舌に尽くしがたい心境なのだろう。相手に見せつけてやった自分の土俵の風景が実は罠だとも知らずに。。あの「セブン」よりかなり踏み込んだ内容で素晴らしかった。「セブン」は両者五分の手打ち感はあって一応の区切りがあったものの、今作は復讐心で突き動かされた結果、後悔という無念に変わる。何とも歯切れが悪いのだが、怒りの連鎖とはそういうもので、はなっから屋上で解放された時に、そのまま飛び降りてしまえば良かったのだ。そこに前例がいたのに皮肉なもんです。さぁ次はＳ・リーの方だ！
