がんがん

この世に私の居場所なんてないのがんがんのレビュー・感想・評価

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これはすごい映画を観てしまった…


まずこのタイトル。

「この世に私の居場所なんてない」

これだけで想像すると…

いじめられている学生の物語か?自殺をしようと考えているつらい人の話か?自分探しに世界一周の旅に出るような人の話か?

いえいえ、そんな要素は1ミリもありません。

ものすごい殺し合いでタランティーノ的なグロ要素はあるし、ゲロは吐くし、バスに轢かれて人間が吹っ飛ぶし、ナイフ滅多刺しするし、蛇に噛まれて死ぬし、もう無茶苦茶にサイコーでした。


そしてイライジャ・ウッド。

指輪を探しに行って帰って来れなくなったあの人ですね。

このポスターヴィジュアルを見ただけで、イライジャってわかった人0人説を推したい。

このイライジャがパダワンみたいな三つ編みしてるし、手裏剣を投げるし、ヌンチャクを振り回すし、やたら日本の忍者に詳しいし、とにかくサイコーなんです。


これはオススメしてもらわないと、絶対に自分からは観ようとしないだろう作品でした。本当に有難いです。

本作はジャンル分けが出来ない。

ストーリーがジェットコースターばりに急降下過ぎて…

中盤から後半へ怒涛の展開過ぎて…

タイトルと冒頭だけ見て、エンディングを想像できた人0人説も推したい。

なんというかワンハリ感とシャイニング感がある。あるけど、何か他の作品に例えるのは野暮な気がする。

うん、こんな映画観たことない。


主人公が日常におけるほんのささいな、でもたしかに存在している悪意に気が滅入る話。

庭にうんこされたり、レジで順番を抜かされたり、空き巣に入られたり、警察が犯人を捕まえる気がなく、逆に鍵の不用心を非難してきたり。

なので、自分で空き巣の犯人を捕まえようとするのですが…


あえてネタバレ設定をしていないですが、未鑑賞の方はこれを読んでも、一体何を書いてるかわからないと思います。

わたしも何を観たのかわかりません。93分何を観たのか!?わけがわからない!

しかし、めちゃめちゃ面白かった!

わけわからんムービーが好きな人にはたまらない作品だと思います。

クセが強すぎてサイコーでした!


あえて主題を探るなら…

世の中の悪意にまみれた社会が嫌になっている人なんて、そこら中にいる。つらいのは自分だけじゃない。

主人公だって、隣人の忍者だって、あの警官だって、あの金持ちの息子だって、みんな寂しい。

世界の悪意に辟易してる。

それでも毎日我慢しなきゃいけないし、なにかと戦わなきゃいけない。人生ってそういうものだから。


みたいなところだと思いますが。

なんというか、こういうことを書くのは野暮かなと。このしっちゃかめっちゃかを楽しむのが粋というか。

それくらい奇想天外で破茶滅茶過ぎる映画でした。

繰り返しますが…こんな映画観たことない!!
がんがん

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