がんがん

逆転のトライアングルのがんがんのレビュー・感想・評価

逆転のトライアングル(2022年製作の映画)
4.3
オスカーノミネート作品を観ようの会

作品賞、監督賞、脚本賞ノミネート。

前作の「ザ・スクエア 思いやりの聖域」がかなり難解な居心地の悪い皮肉的作品で心配でしたが、こちらはかなりわかりやすいヒエラルキーに対しての皮肉的作品で楽しめました。


原題のTriangle of Sadnessとは眉間のシワを意味する美容用語だそうです。

第1章 男が食事代を奢るべきなのか問題

第2章 一向に涙が流れないタイタニック

第3章 どちゃくそ汚いテラスハウス

クソゲロ汚いタイタニックのシーンはずっと眉間にシワを寄せながら観てました。綺麗なタイタニックと汚いとタイタニックがちょうど今、映画館で同時ロードショーしているという奇跡よ。途中退席した人もいたので、食べ物は買わずに観た方がいいと思います。

ひたすら居心地の悪いやり取りが続いて、ひたすら不快な効果音が鳴ってて、ひたすら自分の中の倫理観を炙り出されて。

□では人の善意と狡さを炙り出し。

□から△で資本主義の脆さを炙り出し。

そして△から▽へヒエラルキーの滑稽さを炙り出す。

あまりにも構成が素晴らしすぎて、これはオスカー脚本賞は獲ると思います。すごく不快なのに、めちゃめちゃ笑ってしまって、かなり考えさせられる不思議な映画でした。



小学生がオカンの目を盗んで、ポッキーを盗み食いするみたいなあのシーンめちゃめちゃ笑いました。
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