寿都

赤線地帯の寿都のレビュー・感想・評価

赤線地帯(1956年製作の映画)
4.8
期待をはるかに超えた面白さでうれしー!!
あぁ日本はここまで貧しかったのか、こんなこと分かってるつもりで分かってなかった。

昭和初期くらいまでの遊郭なんかには、ついつい美しさを感じてしまう。映画などでそう扱われているからだろう。
同じ性産業?でも50年代のものになると、一気にエグくなって、情報も少ない。だからこの映画は貴重だし、異文化を覗いたようで非常にワクワクした。着物等の旧式の文化がまだかなり残ってて、そこに色々混ぜちゃってるチープな感じがたまらなく面白い、SFなんかよりずっと。お店の名前が「夢の里」さいこーだな!w
京マチ子のいわゆる「パンパン」的なファッション・存在が強烈。このお方は初体験だったけどやばいぞ。若尾たんだけは垢抜けてて圧倒的美人のナンバーワンw お客に媚びる演技が上手くてもう…女性の強さと哀れさをこれでもかと言うくらい…。
色街や吉原って言うとなんとなく聞こえが良いけど、「赤線」という呼称だと戦後当時のドス黒い部分やこの商売のヒサンさが感じられる。

コメディタッチだけど、これ以上重くするとしんど過ぎるという絶妙なラインだった。不穏さを増長させまくる音楽。でも私はもっともっと暗くて重い昭和の性風俗の世界を観たい。そんな映画ないかも
寿都

寿都