カツマ

アトミック・ブロンドのカツマのレビュー・感想・評価

アトミック・ブロンド(2017年製作の映画)
3.9
シャーリーズセロン主演で送る本格派アクションムービー!そう、間違いなく本格的!冒頭のNew orderから炸裂する80年代の素晴らしきサウンドトラックが、映画の世界観にピタリとハマり、そこにパープルのネオンサインが怪しげにスタイリッシュを演出。退廃としたベルリンの壁崩壊直前の東西ドイツの瓦礫を粉砕し、裏切りが裏切りを呼ぶ死神の連鎖の中で誕生する最強の女スパイ。その微動だにせぬ瞳で見つめられた男たちに、次々と血の洗礼をお見舞いする。キングスマン出演のソフィアブテラや、シンプルシモンのビルスカルスガルドといった脇を固める配役も豪華だ。

1989年ベルリンの壁崩壊直前。内通機関MI6から派遣され、ベルリンに潜伏していたスパイが何者かに殺された。彼が死ぬ間際まで追っていたスパイ目録とも言える超極秘機密はその何者かに奪われ、それが暴露されれば東西冷戦の終結は夢のまた夢だ。MI6は機密を確保すべく最強の女スパイ、ロレーン・ブロートンをベルリンに送り込む。ベルリンで待機していたパーシヴァルとコンビを組み機密へと迫るが、どこからかその情報すらも漏洩していた!果たして裏切り者は誰か。二重スパイの存在とは!?裏切りの連鎖は徐々にその謎を解き明かしていく。

シャーリーズの相棒役としてお馴染みジェームズマカヴォイを抜擢!これがまたやたらとハマっており、彼の存在はこの物語のキーポイントだ。誰が裏切るのか分からないスリリングな脚本。そして、シャーリーズの本格的なアクションを映像と音楽両方からクールに結合させ、色彩と構図への拘りを大いに感じられるお洒落なアクション映画になっている(映画館のシーンでタルコフスキーのストーカーをチョイスするあたりも!)。続いてデッドプール2の監督にも抜擢されているデヴィッドリーチの今後に大いに期待が膨らむ作品でした。
カツマ

カツマ