「彼女はその悲劇を忘れない」
実話に基づくカンボジアにおける少女の話です。
カンボジアは1954年の休戦協定から中立を保ち、アメリカもそれを認めてきました。
しかし、カンボジアは隣国の戦争などに巻き込まれてきた国でした。それにより多くの被害者が出ていたのです。
1975年、それを背景にクメールが首都プノンペンを制圧し、アメリカは軍事支援を打切ります。
そんなニュースを5才の女の子レオンが見ていました。
レオンは街に住む政府高官の娘です。しかし、街はオンカーが制圧し人はみんな街を出されてしまいます。
いきなり難民になってしまったレオンとその家族たち。行くあても何もなく、他の人々と共にただ歩き出すのでした。
主人公のレオンが5才という何も分からない年代だからこそ伝わる映画です。
自分の置かれている状況が何かわからず、ただ翻弄されていく様に考えさせられます。
ナレーションや説明が無く、淡々とレオンの生活が映し出されていく演出がクメール支配下で亡くなった人々、生き延びても過酷な生活を強いられた人々をよく伝えて、心情の伝わる良い映画にしたと思います。