これ"3部作"になるって本当⁉︎
それが実現すれば非常に嬉しいサプライズになる反面、前後編の構想で作っていた物を、配給から言われたからといっていきなりかさ増しして、ただ間延びしただけみたいなオチになるのだけは絶対に避けて欲しいところ。
それこそ、前編となるとプロローグ的なノリで、静かな印象で終わってしまいがちな作品が多い中で、今作は出血大サービスと言わんばかりに初っ端からフルスロットルで、単体としての完成度も高く仕上がっていたので、実際にあと何作やるにしても、是非ともこのままの熱量で最後まで駆け抜けてほしいと願うばかりだ。
そんな今作は、最終章の名に相応しい"オールキャスト"がなんと言っても一番の見どころとなっている。
敵は「MEGAMAX」で倒した麻薬王の息子という事で、冒頭はMEGAMAXのクライマックスシーンが引用されているのだが、まさか今作で「ブライアン」にまで会えるとは思ってもみなかったから、この時点でもう既に心鷲掴みである。
しかもこのシーン、ただ過去作をそのまま使い回してるだけじゃなく、新撮のカットもしっかり作り込んで既存のシーンと上手くミックスして編集されており、そういう点でも中々芸が細かい。
こういう場面は、撮影技術の進歩が純粋に実感できるからそれだけでも非常に興味をそそられるし、そういった意味でも導入として掴みはかなり良かったと思う。
何より、今のファミリーの形になったのは実質MEGAMAXからであるから、その敵を今作の因縁に結び付けてくるあたりも"オデッセイ"の締めくくりとしてはとても綺麗だし、この冒頭のおかげで説得力もしっかりと生み出せていた。
それこそ、前作でいきなり弟が〜とか言い出した時とは、信憑性がまるで段違いである。
ただし、この展開にすると絶対的にブライアンも復讐の標的になってしまうが、そこは華麗にスルーなのは絶妙に引っ掛かる。
そして、またまた今回も始まりました"死者蘇生"。
まさかまさかのカップル揃ってカムバックがあるとは、本当になんでもありだなこの映画。
そしてそして、今作最大のサプライズ。
ポスクレのあいつですよ。
どうやって説得したのかかなり気になるところだが、もう絶対に無理だと諦めていた事でも実現する時はするもんなんだねー。
だって、製作陣も無理だと確信したからこその代わりの「ジョン・シナ」だと誰もが思ってたじゃん。
そんで、そっちはそっちであんな事になっちゃったけど、まあ、この映画に関しては最早何も心配してませんもう。
だって「ドム」自身が、何かを確信してるからなのか覚悟が決まってるからなのか知らないが、誰に何があろうと全く狼狽してないんだもん。
とにかく、これだけの役者が揃って登場しただけで、既に最終章の名に恥じない偉業は成し遂げているというもの。
もちろん、それだけじゃなく肝心要のカーアクションもいつにも増してキレッキレ。
永遠に転がり続ける球体爆弾にはツッコまずにはいられないが、それでもこれだけシリーズを重ねてもまだこれだけのアイデアを捻り出せるんだから大したものだし、前作の宇宙に車で行く無意味感からすれば今回はちゃんと車使ってんなーって感じで偉いし、車だけじゃなくいつの間にかバイク専になっていた「レティ」によるバイクアクションも単純にカッコいい。
今回のヴィラン「ダンテ」も、悪童具合が突き抜けていて、下手すりゃ3作もの間敵対するに値するキャラクターとなっていていい感じ。(今作の最後でもうドムにトドメを刺そうとしてたあたりを見ると、また2転3転しそうだが)
やっぱり、残酷な事を嬉々としてやれる奴は分かりやすくヤバいから、安直といえば安直だがヘイトを集めるにはうってつけのアイコンである。
そういえば「ジャスティン・リン」って、最終章に向けて前作から監督に復帰したと思ってたのに、今作の途中で降板してやんのね。
まあ「ジェットブレイク」のクオリティを見る限り、それで良かったような気もするけど。
ところで、今回非常に気になっていたんだけど「リトルB」って元々黒人の子だったっけ?
ドムと「エレナ」の子なのにおかしくない?ポリコレ?
しかも「ジェイコブ」叔父さんパリピなキャラ変してるし陽気に人殺し教えてるし…。
いくらなんでも、子供にロケラン撃たせるのはやりすぎな気がする…。
それにしても、分作にする前提なのに、次回作の公開予定が2025年というのは、ちょっと待たせ過ぎじゃないか?
2年も経ったら内容すっかり忘れてるぞ…。