松原慶太

パンドラの松原慶太のレビュー・感想・評価

パンドラ(2016年製作の映画)
4.0
Netflixで鑑賞。映画の舞台こそ韓国の片田舎の原発となっていますが、これ福島第一原発の映画です。作ってくれてありがとうと言いたい。

開けてはいけないパンドラの箱を開けてしまった人間たちの物語です。

前半は、パニック映画の王道にのっとった、サスペンスフルな演出で、自然と物語に惹きこまれていきます。イデオロギー抜きにして、とにかくディザスターものとしてふつうに面白い。現場の作業員、周囲の住民、救助隊の人々、ときの政府と、過不足なく描かれ、臨場感があります。

中盤からは、大地震→メルトダウン→海水注入→使用済み核燃料プールの破損と、僕らあのとき耳にした事故のプロセスが細かく描かれ、胸が痛くなってきます。

後半は、正直、目を背けたくなる場面も続きます。しかしチェルノブイリにしろ、フクイチにしろ、じっさい現場ではこういうドラマがあったことは想像にかたくなく、恐ろしいとともに、涙が止まりませんでした。

作ってくれてありがとう。
松原慶太

松原慶太