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孤狼の血のyuuuumiのレビュー・感想・評価

孤狼の血(2018年製作の映画)
4.5
柚月裕子さん原作・日本推理作家協会賞を受賞したハードボイルド小説の映画化。
柚月作品は出版されている本は全て読破するほど大好きな作家さんです。
原作が素晴らしすぎて、活字から映像へとなかなか観るのを躊躇していた作品。原作では三部作が完結しているので、この機会に鑑賞してみようと決意しました。

もう、冒頭から容赦のない映像が激しすぎてショックでした。原作にはないシーンも多々あり、そこまでするのかと…。
そして、登場人物、日岡以外みんなヤクザにみえました。(ヤクザしか登場しませんが…)ヤクザよりもヤクザにみえる刑事の大上。
映画では大上のトレードマークであるパナマ帽はかぶっていないのが少し残念。

この刑事を観ていると正義とは何なのか?捜査の為なら何だってする大上の信じる道は何なのか?日岡の気持ちがズシリと伝わってきました。

柚月作品に登場する主人公達は一本筋の通った熱い男達。
仁義を通すとヤクザとは渡り歩けない。
違法捜査でヤクザ達に挑んでいく大上の大胆な行動に圧倒され、綱の上を落ちないように歩くには前に進むしかない。大切にするものを守る為、命をかける大上の男気には心底惚れました。
そして、ヤクザよりも恐ろしいのは警察内部。
大上の熱い血と意志を受け継ぐ日岡の続編も楽しみです。


原作では大上がタバコをくわえると、日岡が必ずそのタバコに火をつけます。『なに、ぼさっとしとるんじゃ!上が煙草を出したら、すぐ火をつけるんが礼儀っちゅうもんじゃろうが!』と日岡が頭を叩かれる場面があります。原作の大上も、とても魅力的なのでぜひ!
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