emily

人生はシネマティック!のemilyのレビュー・感想・評価

人生はシネマティック!(2016年製作の映画)
3.8
1940年代、第二次世界大戦まっただ中のロンドン、コピーライターの秘書の仕事をしていたカトリンのコピーが報省映画局の特別顧問バックリーの目にとまり、ダンケルクでドイツ軍の包囲から兵士を助けた姉妹の話が映画化されることになった。しかし現状から様々な問題が勃発する。それでも命をかけて映画を完成させる。

 劇中劇と戦争による現状。古き良き時代を感じさせる空間使いと、爽快な音楽、それに交差する敗退的な街の風景。映画撮影の風景と、一つの目標に向かう男女の恋の物語が劇中劇と交差し、それを越えていく。古い映像が交差し、現状の残像があらゆるシーンで蝕んで行く。それでも映画を完成させるという目標に向かって、命と向い合せの中、煌びやかな時間を描写する。しかし現実はその瞬間の幸せを残酷に奪っていく。軽いタッチで表情をしっかり捉えながら、前に進む人々を押し付けがましくなくさらっと描かれているので、説得力が生まれているように思う。

 誰かを勇気づけるためにしたことが自分の勇気にそして背中を押す美しさ。人生は映画を越え、その人生がまた映画を作っていく。映画には人の人生の背中を押す力があり、その一瞬一瞬を捉える力がある。そして人生はその一瞬一瞬の積み重ねである事を改めて力強く感じさせる作品である。