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ファースト・マンのbs3のレビュー・感想・評価

ファースト・マン(2018年製作の映画)
4.8
人類で初めて月面に降り立った男と、その家族と、NASAの仲間とミッションを描いた作品。よく知られたシーンやエピソードを取捨選択し、人物を描きこむことによって、過去の宇宙物とは異なり、魅力ある秀逸な作品になっている。また、映像も音響も音楽も素晴らしい。劇場で体験すべき作品。
1961年、カルフォルニアのとある砂漠。ロケット推進機を操るテストパイロット。男はトラブルに見舞われながらも無事帰還する。その男こそ、アポロ11号の船長にして、人類初の月面に降り立ったニール・アームストロングであった。
ジェミニ計画もアポロ計画も映像が豊富に残っているので、映像化は難しい。本作では、映像化するエピソードを上手く取捨選択し、有名な星条旗を立てるシーンも省略している。代わりに、トラブルに襲われた時のコックピットや宇宙船内の長回しのシーンは、その場に居るかのような臨場感があった。また、仲間や家族との関係や喪失を通して、人物をじっくり描いているのも良かった。
映像的に秀逸だと思ったのは、影の使い方。暗過ぎると感じるほどの映像の中の「影」の表情が、「光」を際立たせており、月面のシーンの表現につながっていると感じた。
音についても爆音と静寂のコントラストが上手に使われており、臨場感とシーンの切り替えに活かされていた。SFや宇宙物の定番である全編クラシックではない音楽の選択も新鮮で秀逸。
ぜひ、大画面で体験して欲しい作品。
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