えむえすぷらす

嘘はフィクサーのはじまりのえむえすぷらすのレビュー・感想・評価

嘘はフィクサーのはじまり(2016年製作の映画)
4.0
ニューヨーク在住の高齢ユダヤ系アメリカ人。イスラエルからやって来た若手政治家に接近する機会を作り恩を売って取り付いたら、なんとその人が立身出世したおかげでブローカーとして人に役立とうとiPhoneを駆使して便宜供与の組み合わせを取り持つようになったが……という物語。

リチャード・ギア扮した老人が何者なのか。全く明かされない。ともかく口八丁手八丁、マシンガントークとたまたま得られたコネクションだけが彼の武器なんだけど大枚叩いて得た最強のコネがいつの間にか彼を醜聞の影にいる謎の実業家として成らしめてしまう。

正直中盤まであまり面白くはありません。リチャード・ギアがこれでもかとマシンガントークで相手に取り入ろうとしたりしてるだけですから。この作品が面白いのは彼が「親友」となったイスラエルの政治家が政治的なトラブルに陥ってから。
主人公は四面楚歌のど真ん中に陥っていく。周りはその状況が見えているけど、実は親切心の塊で自ら利益を手にはしてなかったらしい主人公を盲目にしている。

全てのディールが精算された時、負債を持って行ったのは誰か。見事ではあるけどそれで良かったのかと問いかけたくなる。

「へレディタリー/継承」に続いてアレルギーとエピペンについて知っていると良い映画でもあります。あちらではエピペンが当たり前なんですね。日本だと学校教諭がエピペンを使うなんて真似はしたくないとして結果、給食でのアレルギー摂取とその後の対処がまずくてお子さんが亡くなるといった事態も起きているのでエピペンについてもっと常識になるといいなと思った(エピペン=太ももに押し当てる事で薬剤を注射できる誰でも扱えるように工夫されたアレルギー症状緩和のための緊急注射器)