たりほssk

セザンヌと過ごした時間のたりほsskのネタバレレビュー・内容・結末

セザンヌと過ごした時間(2016年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

大作でした。セザンヌとゾラに交友関係があったことを初めて知りました。あまりに濃密な二人の関係に息が詰まるようでした。

自分の作品を認めてもらえないセザンヌは本当に苦しそうで、荒々しく直情的な人物に描かれていました。けれど不屈の精神で明るく美しい南仏エクスアンプロヴァンスの風景を描き続けました。
ゾラは成功を収め、そんなセザンヌを表から影から支え続けます。しかし彼が発表した「制作」が二人の仲にひびを入れることになります。ゾラを罵るセザンヌ……
しかししかしです。ゾラが「制作」で書いていたのはセザンヌのことではなかった……誤解したままのこの状況が辛い……でもセザンヌは最終的にはゾラを許していたし友情も感じていたと思います。彼は「お前が書くように俺は描きたい」と言いましたが、その思いは続いていたのではないかと。
そっと身を引くセザンヌがあまりに切ないけれど、非常に美しい終わり方だと思いました。
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