またしても、ひろさちやさんを引き合いに出してしまうが、この方は〝仏教原理主義者〟を名乗っている。どういうことかというと「宗教は原理主義でなければ意味がない」というのだ。
そしてこの逆がご都合主義で、今の伝統宗教はその罠にはまっていると言うのだ。ちなみにイスラム原理主義みたいな過激派は、とうぜんながら本当の意味での原理主義ではないという。
そしてこの作品はユダヤ教、キリスト教に深く根ざしている。よって無宗教である私には真の意味では理解できない。が、ガイ・ピアーズ演じる牧師があきらかに聖書の意味を曲解して神の子を名乗っているご都合主義者のサイコ野郎で、ただただ気味が悪かった。
でも映画自体はけっこうおもしろくみられた。とても丁寧に作られているし、序盤出てくるさまざまな謎が、過去を遡るに連れてなるほどと解ってくる展開は目が離せなかった。
しかしその一方で出てくる女性たちが皆不幸で痛々しく、見ていられなかった。テーマは宗教というよりも男女差別問題ではなかろうか。キリストの名の下に虐げられた女性たちに救いはなく、鑑賞後はなんともやるせない気持ちになった。
[オリジナル音声+日本語字幕]2023/04/20 WATCHA