漱石枕流

キラーズ・オブ・ザ・フラワームーンの漱石枕流のレビュー・感想・評価

4.1
とにかく長い! 劇場鑑賞をあきらめた理由がそれ。忙しい上にトイレが近いので、うまく調整しない限り不可。自宅でもしんどい。昼前から鑑賞始めたのだけど、1時間休憩を取ったので、終わったのは四時すぎていた・・・

アメリカ原住民が迫害された話は有名だが、オイルマネーで潤った裕福な部族がいたというのは本作で初めて知った。やはり歴史はその概要ばかり追っていてはダメだということだろう。世の中にはいろんなひとがいるのだ。

でも、金を持っていることで、却って狙われてしまう。もし石油の受益権を持っているのがオーセージ族ではなく白人だったら、キングたちは標的にしただろうか? 多分しなかったと思う。

現代の日本でも「特殊詐欺の標的となっているのは高齢者」という話にすこし似ている気がする。とても卑怯だが、騙す方からしたらより与し易やすそうな相手を選ぶのは理にかなっている。

しかしこの映画はそこまでわかりやすくない。なんとも不思議なのは、アーネストの立ち位置。金欲にまみれた伯父に唆されて結婚したのか、それともほんとうに愛しているのか、判然としないまま進んでいくのだ。

評価が高い理由の一つは、この主人公の曖昧さにあると思う。彼は叔父と違って、どう見ても極悪人には見えないが、でもやっぱりやっていることは犯罪なのだ。ここがとても絶妙で、現代の詐欺事件に通じるものがあると思う。

[ドイツ語音声+日本語字幕]2024/02/01 Apple TV+
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