しゅん

ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書のしゅんのレビュー・感想・評価

3.5
政府高官と新聞屋との間に友情を育むことが不可能になる。役割によって人間間の引力が切り裂かれることの哀愁を、輪転機のマシーナリーにリズミカルな運動が増長させる。トムハンクスの娘はレモネードに金儲けの悦びを知る。幾度も障害物につまづいていたメリル・ストリープは、最後若き女性たちに囲まれながらスッと一人立ち去る。電話機の前で小銭を落とす情けない動作の男がすべてのヒントを一つに結ぶ。それぞれがバラバラのままでよろめきながら共闘するそのバランスが、本作を魅力的たらしめてるのだろう。

冒頭のヘリを追うカメラ、印刷場で上昇し続ける新聞の流れなど、上へ向かう運動が印象的。
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