Ryoma

アネットのRyomaのレビュー・感想・評価

アネット(2021年製作の映画)
4.2
まず2人ともお歌が上手いこと。2人のハモリも凄い。マリオン・コティヤールは、エディットピアフで上手いことはわかってたけど、アダム・ドライバーもまずまず。そして、会話の殆どがミュージカル調というのは、違和感というより斬新で思いのほか楽しめた。ジャンルはというと…ミュージカルを主軸にラブストーリーやサスペンス、ファンタジーなど様々な要素で進んでいったように感じたけれど、サスペンスといってもあまり緊迫感はなく、いろんな要素が絡むことでシュールな笑いを誘ってきて苦笑いするシーンが多めだった。どういう展開に転ぶかも予測できなくてそういう面でも楽しめた。
ロケーションも気になる。アメリカ🇺🇸のカリフォルニア州サンタモニカの夜のネオン街は綺麗で、日本🇯🇵や中国🇨🇳、インド🇮🇳など世界各国の撮影も凄いなと思うんだけども、ジャケの荒れ狂う海上はどういう撮影方法だったのか知りたい🤔
俳句でいう字余り的な、アダムのドライバーのリズムに乗り切れない歌唱や少し音がはずれているようにも聴こえる歌唱が絶妙に面白い🤣
自虐的でシニカルな発言の数々、貶されてなんぼ、観客の沸点を上げてからディスられて注目を浴びる嫌なタイプのコメディアン。意味もない暴言を吐き捨て観客と罵り合うそういうコメディアン。そういう役をアダム・ドライバーが体現し過ぎていてホント嫌いになりそう😿(パターソンの穏やかな時と全然違う気がする)
受け手を手玉に取る意表を突いた応答、巧みなワードセンスは、彼の演技力の高さを物語っているし、所々すべっているようなところも恥ずかしがらずにこれでもかと胸を張ってやりきっていたり、アドリブのような箇所もあったり、純粋に凄いなと思ったけれど…やはり、少し、いや、だいぶ嫌いになった😅
マリオン・コティヤールは、相変わらずお綺麗で、娘想いの素敵な役だったけれども…アダム・ドライバーの役が癖あり過ぎてそっちの方に目が向いてしまった節はある。まあでも、彼女の美声・歌声に酔いしれ十分に堪能することができただけでもホントに満足。
周りの人さえも動きや歌がミュージカル調で、クセが強いひとつの舞台を見ているような気持ちになった。
そして、アネットなんか怖いぞ!と思ったら……展開的には可哀想でもあったかな。でも、やっぱり可愛かった笑
あと古舘寛治さん出てた?filmarksのキャスト欄には記載がないけれど…水原希子さんはどこに出てたんだ?🤔

本作は、観た後、様々な感情が芽生えごちゃ混ぜになったり、腑に落ちない箇所があったり、個人的にツッコミどころが多かったりして、観た人同士で語り合ったら面白いと感じた作品今年ベストワンかな。終わり方も何か少し意味深で気になる。
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