シネラー

ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2のシネラーのレビュー・感想・評価

4.5
シリーズ第8作の最終章後編を再鑑賞。
第1作から紡がれてきた末の
見事な大団円であり、
ハリー達と同年代の自分にとっては、
本当に一つの学生時代が幕を閉じたと
感じざるを得なかった、
約10年に及ぶファンタジー映画の完結編だ。

分霊箱を追い求めてホグワーツに戻った
ハリーとヴォルデモートの最終決戦
を描くシリーズ完結編であるが、
明かされていく真実とそれに伴う
ハリーの運命の決着に感動を
禁じ得ない内容だ。
序盤におけるグリンゴッツの
ドラゴンによる脱出劇から始まり、
中盤以降はホグワーツでの全面戦争
というアクション盛り沢山な展開だが、
そんな中で明かされるハリーの秘密と
スネイプ先生の過去は、
今でも泣いてしまう場面だった。
冒頭からのBGMである
"リリーのテーマ"が、スネイプ先生の
心情を良く表していると思った。
登場人物達の掛け合いも面白く、
前作までの経験を経ての掛け合いは
微笑ましく思う部分も多くて良かった。
特にマクゴナガル先生の茶目っ気もある
ハリーへの優しさが好きな場面だった。
ハリーとヴォルデモートの最終決戦も、
それまでの経緯が
形勢逆転の伏線となっているのが、
とても胸熱な展開で素晴らしかった。
そして、本作の結末が"賢者の石"の
結末を彷彿させるような描かれ方だったのも、
シリーズを見続けてきて
ハリー達と共に年齢を重ねてきたからこそ、
感慨深くなる結末だった。

不満点を言うと、
本作でもハリーの為の犠牲となる
主要人物達がいるのだが、
その場面自体が描かれないのが
逆に不自然な位に思う部分ではあった。
上映時間が丁度2時間程度なだけに、
もっと深掘りできる部分を
しっかり描いて欲しかった。
又、原作の時点でも思ったが、
ロンがハリーの真似で蛇語を話して
通じるのはご都合主義だとは思った。

ほぼキャスト陣の変更もなく、
物語と共にキャストの成長も描いた
一大シリーズであり、
その総決算とも言える完結編だった。
学生生活を送っていく中で、
ハリー達と共に成長できる時代に
生まれてこれて良かった。
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