こたつむり

ロード・オブ・ザ・リング/旅の仲間〈スペシャル・エクステンデッド・エディション〉のこたつむりのレビュー・感想・評価

3.9
♪ 愚かなる生き物たちを
  闇に囲まれた 廃墟に導きたまえ

ファンタジーは大好物です。
ドラクエやFFは勿論のこと、その源流であるD&DやT&Tなどのテーブルトーク、またはゲームブック(ソーサリー四部作や火吹き山の魔法使いとか)などに影響された少年期でしたからね。

でも、なぜだか『指輪物語』はスルー。
勿論、本作も観たいとは思っていましたが華麗にスルー。ということで、お恥ずかしながら、今回が初観賞です。

いやぁ。面白いですねえ。
でも。長いですねえ。最初から『スペシャル・エクステンデッド・エディション』に臨んだ僕が悪いのでしょうか。3時間ちょっとと伺っていましたが、なぜかテレビの表記は4時間。

うへえ。これは魔法ですか。
…なんて思っていたら、スタッフロールが目茶苦茶に長いだけでした。全部で30分近くあるんじゃないかな(後から知りましたが、後半はファンクラブのメンバーを羅列していたとか。ほへえ)。

ただ、長くても面白いのは事実。
テンポが良いし、無駄に感じる部分はないし。
そもそも、壮大な冒険絵巻なのだから長くて当然。ゲームなら短くても20時間。寄り道要素も含めたら80時間超えは当たり前ですからね。

また、先入観を裏切る部分も良かったです。
“灰色のガンダルフ”の二つ名は『指輪物語』を未読でも知っていますが、もっと風格があるイメージだと思っていたんですが違うんですね。それに魔法使いの筈なのに魔法をあまり使わないのも…ちょっとポンコツ…もごもご。

あと、主人公を差し置いて格好良いのが彼。
そう。スライダー…じゃなくてレンジャー…じゃなくてアラゴルン。職業と二つ名と本名がごっちゃになって分かりづらいですが、優しさと厳しさを兼ね備えた雰囲気があって最高でした。そりゃあ、演じたヴィゴ・モーテンセンが一躍有名になるのも当然ですね。

まあ、そんなわけで。
面白いけど長い…と、どうしても作品の中身よりも“尺”のほうが先に評価される物語。六部作にしていれば良かったのに…とも思うのですが、それは商業的な判断でNGだったんでしょうね。何はともあれ、無理に続けて観るのではなく、二日に分けて観賞したほうが細部まで堪能できると思います。
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