♪ 時がとまったままの僕のこころを
二階建てのバスが追い越してゆく
三部作(全部で11時間超え!)の完結編。
やはり、最終作だけあって盛り上げますねえ。戦争の場面は迫力も然ることながら、命が容易に散る様をサラリと描いているので重量感が違います。
また、登場人物たちの魅力も惜しみなく。
安定感を誇るアラゴルンの格好良さや、レゴラスの飄々とした身軽さは身震いするほど。あと、赤丸急上昇で評価が上がったのがエオウィン。美味しいところを独り占めです。
それとホビット三人組も見事でした。
ピピンとメリーはドラクエで言うところの“遊び人”と認識していたのですが、魅せるところは魅せる存在感を発揮。戦闘に長けていなくても良い、そんなメッセージを感じました。
そして、何よりもサムです。真の主人公です。
“軸がぶれない”のは資質バッチリ。終盤の台詞には痺れましたよ。それでいて完成された男性ではなく、成長する余地があるのも素敵。世の男性は彼を見倣うべきです。僕も頑張ります。
その他に褒めるべき点は…え?
「もう一人ホビットがいるじゃあないか」って?
えー。誰のことでしょう。
友人(というか最後の最後まで上下関係を崩さなかったですよね。ぷんすか)を信用しない輩のことですかね。うーん。いたような、いなかったような…。指輪の影響で忘れちゃったのかなあ。
あ。話は変わりますけども。
CGとの合成が雑に感じたのは微妙でしたよ。
今から20年近く前の作品ですが、背景と手前の人物の質感が合っていなかったり、境目を光らせて誤魔化したり、逆に輪郭がクッキリしていたり。もう少し、自然な感じにしてほしかったです。
確かに殆どが合成で作り上げた映画。
細部まで凝り過ぎたら完成しなかったのかもしれませんが…ちょっと気になりました。
まあ、そんなわけで。
ファンタジーの始祖と呼ぶに相応しい原作を見事に映像化した作品。『ロードス島戦記』や『火吹き山の魔法使い』が本作に影響を受けたのだなあ、なんて考えたら感無量でした。
そういえば学生時代に。
奥田君(仮名)から「『指輪物語』を読まずにファンタジーを語るな」と言われましたけど、これで語る資格ができたんですかね。ン十年越しに履修完了です。