麻薬の曲で人気が出たが堕ちていく狂ったポップスターなシャーヒド・カプール、大量の麻薬を拾ったことから監禁されて性的暴行されボロボロになったアーリア・バット、麻薬患者を多く診て麻薬を反対する女医のカリーナ・カプール、シク教徒でありながら麻薬取引を黙認する警官を中心に麻薬問題を巡る群像劇。
まずパンジャブ州は酒や麻薬やカーストも全て取っ払った真面目なシク教徒が多い地域でありながら、パキスタンと隣接してることから麻薬が蔓延してるのも事実。本当に劇中のように大砲みたいなので麻薬が降ってくるんだとか。
全員が交差するわけではないが、別々の場所から逃げていたシャーヒドとアーリアが出会ってからはずっと好き。もう生きている意味なんてないと思って泣きじゃくり、失うもののなくなったアーリアがシャーヒドを助けるシーン。「これ以外全てされたわ」とキスをするシーン。アーリアの演技が素晴らしい。
「一緒に自殺する？」と言っていたシャーヒドが名前も知らない女の子のために麻薬を絶って生きようと思うんだよね。
一方警官もカリーナに恋をして、麻薬流通を断とうと奮闘する。恋は人を変えるというインド映画ならではの展開が良すぎる。そして辛すぎる。
社会派なのにこの現実性と娯楽性はインド映画でしか出せない。
やりどころのない悲痛なラストも素晴らしい。
メリージェーンは麻薬の別名。(洋楽でよく出てくると思う)
