イライライジャ

地下室のヘンな穴のイライライジャのネタバレレビュー・内容・結末

地下室のヘンな穴(2022年製作の映画)
3.3

このレビューはネタバレを含みます

すごい。難解な不条理モノなのに電子ペニスの強烈な下ネタで中和させている。独特なフレンチブラックコメディ。

謎の穴に入ると現実世界で12時間経過するかわりに3日分若返る。
1年間730回ぶっ通しで入り続けると6歳若返る。20歳分若返ると肉体は40年分老いている。
つまり最終的に、見た目は若い女なのに中身は腐乱死体のようになる。穴に入ってる間は現実世界にいないため、数年間不在状態。
それで得たものは若い姿、失ったものは人生そのもの。

同時並行で電子ペニスに手術した男のエピソードが挟まれる。別の映画か?と思うほどアホで良い。電子ペニスとの出会いと別れ。

理想の肉体に固執するのは、人間の性(さが)である。女は若さに価値がある、男は性機能に価値がある。そのような固定概念に捉われた人間の滑稽な末路。
劇中では理想を手に入れたはずの2人ともが他者に認められず自滅する。整形やSNSのせいで年々過激になるルッキズムを皮肉っているかのよう。