イライライジャ

秘密の森の、その向こうのイライライジャのネタバレレビュー・内容・結末

秘密の森の、その向こう(2021年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

祖母の死を機に母が昔住んでいた家を家族で片付けに行く。母は出ていってしまい、8歳の娘1人で森の中を歩くと幼少期の頃の母がいた。“同い年”の母と娘は友達になる。

なんとも不思議なファンタジー。タイムトラベルとも言い難くシームレスに時空が混ざる。自然主義的な眼差しで、カメラは常に子供目線の高さ。

祖母へさよならを言えなかったネリー。そして母を亡くしたマリオン。同じ悲しみを抱えてるはずの母の痛みを娘のネリーに追体験させるかのよう。音楽を排除して感情や言葉もあまり出さないシンプルな画が続く。
母は自分と同じ子供だったのだ、と気付かされる。2人は同じ8歳のときに母性が芽生える。と同時に母と娘は時を超えて秘密の友達に戻る。
感動。号泣。なんて繊細で美しい映画なんだ…。

マリオンは一体どんな気持ちで二十数年間生きてあの日を迎えたんだろう。
心が浄化される素晴らしい映画だった。