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ドラゴンへの道のKOUSAKAのレビュー・感想・評価

ドラゴンへの道(1972年製作の映画)
3.8
「ブルース・リー 4Kリマスター復活祭2020」ということで、先週の『ドラゴン 怒りの鉄拳』に続いて、なんばパークスシネマで鑑賞。

これぞ究極のエンタメ作品ではないでしょうか。

オープニングの空港における下りは、かなりオフビートでシュールな笑いを追求したシーンが続くし、前半はブルース・リー演じるタン・ロンがとにかく頼りない感じで、何を考えてるのかよく分からない「低空飛行」キャラが続きます。

だからこそ、いざアクションシーンが始まった時の高揚感とカタルシスがハンパない‼️💪そんなON/OFFを繰り返すことから生まれる「アゲ感」が最後の最後まで堪能できる一級品です。これぞエンタメの極み‼️

香港映画初のヨーロッパ・ロケだったそうですが、ローマの観光スポットや歴史的遺構がたっぷり映し出されているのも本作の魅力で、異国情緒をスクリーンで堪能できる「観光映画」としてもかなりハイレベルだと思いました🤔

そして最大の見どころは、やはりコロシアムの廃墟で繰り広げられたチャック・ノリスとブルース・リーの一騎打ち。これはカンフー映画史上において、一二を争う名シーンではないでしょうか。このスリリングな名シーンをスクリーンで堪能できただけでも幸せでした✌️

現代映画のアクションシーンや格闘シーンって、もちろん面白いんやけど、ちょっと情報量多すぎて時々辟易することもあります。そんな現代の視点で当時のブルース・リーの格闘シーンを見ると、落ち着いた「間」の取り方がすごく新鮮に思えます。

きっとこの頃は崇高な「武道精神」がアクションシーンにも根強く残っていて、こちらの攻撃が効いて相手がブッ倒れた時も、それに乗じてとどめを刺すのではなく、相手が立ち上がって臨戦態勢になるまで「じっくり待つ」時間があるのが新鮮で、あくまで「公平」な状態をキープしながら「純粋な戦い」に挑もうとする姿勢が崇高に思えます。相手が武器を手放したら、こちらも武器を捨てるというシーンもブルース・リーの映画には多いですよね。

改めてブルース・リーという男の凄さを再認識させられました。せっかくの機会なんで、今回の4Kリマスター復活祭は、若い人たちにスクリーンで体感して欲しいと思います。まったく古びていないどころか、むしろ2020年の新作だと言ってもいいほどフレッシュな魅力が満載なので‼️
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