新宿ピカデリーにて。平日夜の部で３割強の入り。主演女優は大ヒット中のオスカー作品にも主演しているが、本作はその前年の製作。代表作の連打と云っていいだろう。実在したカナダ人画家の伝記もの。粗野な夫と薄幸の妻。倹しい夫婦の生活は俗世から隔絶されたようにも見える。主人公の描くシンプルな絵画は色彩豊かで何とも云えない温かみがある。サリー・ホーキンスは本人が憑依したかと見紛う入神の演技。一方でイーサン・ホークもキャリア最高の仕事をしている。アイルランド出身の女流監督の眼差しは柔らかく繊細である。初夜でのダンスと抱擁シーンには心底泣けました。倦怠期に入った連れ合いとご一緒に鑑賞することをお勧めしたい。
