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しあわせの絵の具 愛を描く人 モード・ルイスのsomaddesignのレビュー・感想・評価

5.0
カナダの「この世界の片隅に」

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カナダ東部の田舎町に暮らすモードは若年性リウマチのせいで、幼い頃から足を引きずって歩くせいで奇異の目で見られていた。若くして両親を亡くして叔母の家で暮らしていたが、叔母との折り合いは悪く、自立のため買い物中に見かけた住み込み家政婦募集の広告に目をつける。求人広告を出したのは街外れに住む、これまた変わり者で嫌われ者のエベレット。孤児院育ちで学もないエベレットと障害者のモード。そんな2人の同居生活はトラブルの連続だったが、はみ出し者の2人は互いを認め合い、結婚する。そしてある時、魚の行商を営むエベレットの顧客であるサンドラが2人の家を訪れる。モードが部屋の壁に描いたニワトリの絵を見て、モードの絵の才能を見抜いたサンドラは、絵の制作を依頼。やがてモードの絵は評判を呼ぶのだが……。

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サリー・ホーキンスすご過ぎ。
よく考えればイーサン・ホークスも圧巻の出来だけど、同じ日に「シェイプ・オブ・ウォーター」から立て続けに見たせいか、サリー・ホーキンスの演技の振り幅っぷりに感心するばかり。
プロの役者さんてホントすごい( ;∀;)

たぶんエベレットと出会って結婚する35歳くらいから、晩年近くの60歳前後までのドラマだと思うけど、特殊メイクなしでシーン毎に乙女のようであり、人生の終盤に差し掛かった老女のようにも見える。

亡くなる5〜6年前に急速に世の中に知られるようになった夫婦なので、若い頃の記録や記述に乏しく、夫婦の慎ましくも豊かな暮らしぶりを「こうだったんじゃないか」と監督演者で想像して、生き直して見せてくれてるみたい。
わずか4m四方の小さな小さなお家で、ど田舎の街はずれで誰にも邪魔されず、清貧を絵に描いたような夫婦の暮らしはまさに「この世界の片隅」といった佇まい。


夫婦二人の分かち難い絆の物語だけど、口下手な二人がアートを通じて饒舌に世界に生の喜びを伝えた話でもあったような。
「かぐや姫の物語」や「ゼロ・グラヴィティ」に通づる、不完全で騒々しい美と醜悪に満ちた生の世界万歳!∩(´∀`)∩ワァイ♪な話でもあった。


鑑賞から時間が経ち過ぎて、鑑賞時の感動が上手く書けなかった(´^`)ウーン

23本目
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