新作劇場版のプロモーションの一環のようでGYAOにて無料配信中。
本作『絆』と『約束』でTVシリーズ第２期の総集編らしい。
第２期は主人公を遙と凛の二頭立てだったようで、本作は遙の話だけをまとめたもののようだ。（伝聞形で書いているのは第２期を観ていないため。）
シリーズ全体を通じて特に主人公・遙の思考・行動が分かりにくいため、遙サイドに登場人物が絞られていたため、すっきりしていて観やすかった。
友情を目的化して何でもアリにした納得のいかなかった第１期に対して、第２期の遙サイドのストーリーは、驚くほど王道的な努力友情勝利の型にはまっていた。また、第１期ではまるで感じられなかった主人公・遙の成長もはっきり見ることができた。ベタベタした友情を描きたいんだろうけど、無難であってもやっぱり王道的な型の中で描いた方が一般化しやすい。あらためて物語においてでやはり型は大事で、型は守破離。破から入るのは型破りではなく型無しというものだ。
整理された形で観ると、遙に共感できるポイントも見いだせる。自分の気持ちをよそに自分のことをよく知らない人からも期待されたりしてイヤな気分になるのも分からなくもない。
遙の仲間と楽しく泳ぎたいという現状維持の姿勢が、自分だけでなく周囲の変化を拒むことになっていた。仲間との関係性を維持するためには仲間の変化に合わせて自分も変わらないといけない。遙はそれに気づいておらず、遙の言動が意味不明、幼いって思えるかもしれないが、そういう独りよがりって友人関係に限らずいろいろな人間関係であるんじゃないか、と思った。
映像もきれいだし、もう少し友情をあっさりさせてほんのりでも恋愛要素を入れたら、もっと幅広く支持される作品になると個人的には思う。
