FutosiSaito

デトロイトのFutosiSaitoのレビュー・感想・評価

デトロイト(2017年製作の映画)
4.0
 やりきれなく、後味は悪いが、監督の力技が一瞬も目を離せない緊張感あるドラマを映した。
 その黒人の報われなさは、逆『ドリーム』だ。
 デトロイト暴動のリアリズム。手持ちカメラで、臨場感を出して、冒頭から引き込む。
 人種差別主義者(レイシスト)が権力と武力を持つとどうなるのか、黒人と一緒にいた女性にも振るわれるという事実も怖い。
 ジョン=ボイエガは目撃者であり、当事者で、語り部の役も兼ねているのだが、辛すぎる。
 しかし、さらに怖いのは何人もの目撃者がいるはずなのに、告発がなされなかったことだ。
 そして、現トランプ大統領は移民を排斥しようとしたり、人種差別に緩かったりだし、日本の安倍首相もかってのように中国・韓国・朝鮮に対してはきわめて強気で厳しい。
 ビグロー監督は、そんな状況だからこそ、この映画を撮ったのかもしれない。
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