ぬーたん

デトロイトのぬーたんのレビュー・感想・評価

デトロイト(2017年製作の映画)
3.0
1967年アルジェ・モーテル事件を軸にデトロイトの暴動を描いたドキュメンタリー風の作品。
監督はキャスリン・ビグロー。
『ハート・ロッカー』『ゼロ・ダーク・サーティ』しか観てないが、なるほど彼女らしい描き方だと思った。
黒人差別の映画が最近多いが、内容は全く違うが事実を基にしているものという点では『ドリーム』と比較すると180度違う。
『ドリーム』は事実をかなり脚色して面白く仕上げている。
映画としては感動的で面白いが、事実を基にというフレーズを使ってくれるなと突っ込みたくなる、何とも観終わってからの後味が悪かった。
それに対して今作は、事実を細かく描いている。
正直、この2作の中間辺りの脚色で、やんわりと仕上げてくれたら、一番観やすいし感動するだろうが、監督のポリシーが其々あるのかね。
何とも不器用な気がするが。
どちらも自分的には評価が低い。

最初に、イラストを入れながら状況説明。
次に当時のニュース映像を入れながらその激しさを見せる。
そして、暴動の第一夜~第三夜という流れを見せて、徐々にエスカレートしていく街の様子を描く。
その後にモーテルの事件。
その後からが今作の凄いところ。
お得意のバイオレンスが観ていて辛い。
暴動と暴行。暴しかない!

黒人警備員ディスミュークスにジョン・ボイエガ。
ぱっと見、デンゼル・ワシントンの若い頃に似ている。
やや小太りで背が小さめだけど。
声も似ている。まだ26歳。
これから活躍しそう。
白人警官クラウスにウィル・ポールター。
『メイズ・ライナー』で初めて観た。
まだ25歳なのに迫真の演技。
何と言っても。あのへの字眉。
その眉がグッと上がるあの表情。
インパクトあり過ぎ。
夢に見そう。
ザ・ドラマティックスはみんなイケメン。
ジャージボーイズみたいで、みんなで夢を追うところが何だか良かった。
この若い俳優たちが、熱い演技で惹き付ける。
ただ、彼女の作品はとにかく長い。
今作も2時間超え。
しかも、観るのが辛いシーンの連続で、やたらに長く感じてしまった。
細かく描くことが良いとは限らない気もするが。
終わって、先ずホッとした。
そして、コルトレーンを聴きたくなった。
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