カツマ

マイヤーウィッツ家の人々(改訂版)のカツマのレビュー・感想・評価

4.0
Netflixで何観ようかなと眺めていたら、おや、ノアバームバックの新作?しかも超豪華キャストに加えて、カンヌでも大きな話題を呼んだ作品がNetflixオリジナルで配信されていて驚愕!これがまたフランシス・ハにも負けない力作だったわけで、ネトフリオリジナル作品への信頼度を更に高めてくれました。ノアバームバックの映画にはボヘミアンでアーティスト気質で常識的な変人がたくさん出てくるけど、そんな変人達で送るサザエさん的なホームドラマ。家族間の微妙な距離感を会話の端々から感じさせる手腕は見事でした。

彫刻家の父ハロルド・マイヤーウィッツには長女のジーン、長男のダニー、そして2人とは腹違いの次男マシューの3人の子がおり、4人めの妻モリーンも同居中だ。そんなハロルドのもとに長男のダニーが離婚を機に戻ってきた。ダニーの娘のイライザも大学での生活を前にハロルドのもとへやってきて、賑やかな家族の団欒がはじまる。第1章はダニー視点の物語で、娘のイライザとの仲睦まじい姿や、父親のハロルドに振り回される様が描かれる。そして第2章では第1章に出てこなかったあの人物が登場してきます。

もはやコメディ俳優のイメージも今は昔のアダムサンドラーが振り回される不器用な長男役にガッチリハマっており、次男役のベンスティラーとの掛け合いもバッチリ!特に後半の喧嘩のシーンは結構修羅場のはずなのに何故か笑えて、ふとこれってただの兄弟喧嘩だよな、ということに気付いて妙にシュールだ(笑)
ノアバームバックはそんなどこにでもある日常風景を切り取ることに長けていて、彼の撮る噛み合わない会話劇はやたらと癖になってしまう。フランシス・ハを見た時も思いましたが、この監督の作品はどうやら自分のどストライク。今後の作品も楽しみです。
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