「ストーリーに厚みが増した続編」
ディズニー最大のヒット作(日本。世界はライオンキング実写版)「アナと雪の女王」通称アナ雪の続編。今ままでちょこちょこ短編はあったけど、いずれもショートストーリーだったのに対して、前作で纏まった終わりからどの様に続けるのか興味は尽きなかったが、なるほどそう来たか。
エルサが何故魔法の力を持つ様になったのか、そこに両親の死の真相が絡んで、一筋縄ではいかない真実を知ることになる。エルサが1人で抱え込もうとしている苦悩を、魔法の力を持たない健気なアナが助ける構図は前作以上に心撃たれる。オラフやクリストフ&スヴェンも単なる賑やかしになっていないのも良い。
結構賛否両論だったらしいが、なんとなく分かるわ。前作は倒すべき敵がいたりして分かりやすいシンプルな話だったが、今作はメッセージ性の強いシリアスな話になっていて雰囲気がガラリと変わっている。極論を言うと前作が子供向けで本作が大人向けみたいな感じ。
しかし正直自分は今作のが好みだわ。シリアスとは言ってもメリハリがあってコミカルな部分はあるし、話としてもずっと森に閉じ込められていた人達や魔法の国の真実、そしてあるモノを壊して未来を作らないといけないという決断など、なかなかに深いストーリーが続く。最近のディズニーは分かりやすさ重視が続いていたが今作は久し振りにメッセージ性の強い作品になっていると思う。
これが分かりにくいとかつまらないと言う気持ちも分からんでもないが、自分は続編としてはこの上ない傑作だと思う。ただ単にヒットしたから続編作るわみたいになってない気概を感じた。ちゃんとラストは綺麗に纏まっているし、視聴前の一縷の不安は吹き飛ばされたよ。これ以上の続編は難しいだろうが、またショートストーリーみたいなのがあったら良いなと思える続編でした。
あ、あと映像も前作で凄いと思ったなら今作もその期待に応えれる程十分にキレイ。特にアートハランでエルサが彷徨う時は良かった。あとオラフが諸事情で声優変わったけど全く違和感なしで、急にイケボになったりとかめっちゃ上手くてビビったわ。音楽は前作と比べて一長一短だが、これは好みだろうな。でもエンディングの「Into the unknown」は前作のどの曲にも無かった技巧派なタイプで良かった。松たか子の歌唱力改めて凄えなと思った。