説明のできないものを信じ、説明のならないものに振り回される女性はその末に何を選ぶのか。
『イノセント・ガーデン』『エクス・マキナ』にも似た異能の女性主人公を描く詩的なサイコサスペンス。こちとら好みでようござんした。同じ恵比寿ガーデンシネマで観たロシア作品『ラブレス』もこんな感触だったな。
しかし、聖書の一節と残酷な美しさを宿した物語って合うよね（あとどこの宗教でも〇〇殺しの話ってあるよね）。冒頭の父の銃口、プールの深淵、氷の湖、明滅する光、蛇と鴉。そうした背徳と禁忌と暗示と覚醒みたいなものがおそらくキリスト教的な整列のもとに描かれていく様が、なぜもこう東洋人の私の琴線に触れるのか。そこんとこははっきりとは分からないけど、信心の奥に潜む畏怖と恐怖の感覚ってどこの国でも同じなのかもしんないね。
とりあえず、主人公のテルマちゃんはジーザスどうあれApple信者でした。
