るる

ジュリーと恋と靴工場のるるのネタバレレビュー・内容・結末

ジュリーと恋と靴工場(2016年製作の映画)
2.8

このレビューはネタバレを含みます

なんでこうなったんだ。冒頭のワクワクから、うーんんん。

ミュージカル部分がわかりやすく吹き替えだったのが残念ポイント。曲調やダンスは『ゆれる人魚』『ゴッドヘルプザガール』をやや連想して嫌いではなかったけど。
靴職人ミュージカルには『キンキーブーツ』という傑作があることもあって、女性版として、期待値高めで見たので、うーん。

労働を描くことは大事だと思うし、少女のように幼く見える彼女が、リストラされ、正社員の職を求め、非正規労働者として「女性の仕事」を低賃金でやる状況、賃金格差、事情を描こうとするのはいいんだけど、

工場閉鎖に抵抗する女性の靴職人たちがプロフェッショナルとして尊敬されていない、見合った賃金が支払われていないことをうやむやにして、男たちが倉庫を襲撃して女たちを殴って、在庫を奪っていくあたり、

そういう話にしちゃっていいんだろうか?と…

靴の魅力、フェチを感じられたのは面白かったんだけど

ヒールのない、歩きやすそうな赤い靴に象徴される「戦う女」の歌、歌詞はいいけど、履かせるのは男、 うーん。

許してくれ、と跪く男、許す許さないの次元の話じゃないのでは? 思わせぶりに服を脱がせ、思わせぶりにマウントを取り、去る女、そんなに痛快じゃない。ありがちな表現に思えた。

そしてラスト、えーっ?

ハリウッドやディズニーのフェミニズムと、フランス人のフェミニズムは違う、愛の国フランス、男に身を委ねる自由を選ぶ女、というスピリットを感じたんだけど、労働の話と絡めるなら経済的自立を獲得した上での愛について丁寧に描かんことには、説得力ないのでは…?

ちょっとピンと来ず残念。
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