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ミスター・ガラスのslowのレビュー・感想・評価

ミスター・ガラス(2019年製作の映画)
3.7
動かすのなら
1人の人生ではなく
万人の人生を。
ーーーーーーーー
今作で分かった事は1つ。

シャマラン監督は人物よりも
作品の″世界″を愛してる事だ。

この映画で凄いのは
制作時期が異なる
2つのシャマラン作品が
自然な流れで繋がってる事♪

主役だけじゃなく脇役も
揃い踏みする召喚芸や、
今作の為に開封したような
回想シーンの数々に
2作品との繋がりと
″その後″を隅々に散らばせ、
違和感を置き忘れた接着芸は
見事としか言いようがない。

しかし風呂敷を広げても
彼の作風″地味さ″のせいで
展開しない展開や
最終戦の味気なさ…
いつも以上に控えめな音楽…
2つの作品のドラマが好きなら
受け入れがたいあの″結末″など
残念点は多い!(-᷅_-᷄๑)

だが彼の作品の魅力は
よくある映画の内容から
アングルをずらして
違う″景色″を見せてくれる所だ。

その違う景色に映るのが
我々の生きてる現実であり
映画の世界と現実が
同じ場所にあるという
実写化ならぬ″虚構の現実化″を
得意とする彼の技量が
本作でも活きづいてる。

今作の主人公は人ではなく
2つの作品が混ざった
″世界″そのもので
今まで見た彼らの物語は
ガラスの破片の一端であり
破片を繋ぎ合わせたような
ラストは心昂ぶるが、
割れやすく傷つきやすい
″彼ら″のこれからが心配でもある。

・【個人的にみた感想】
アメコミの規制問題が
裏テーマなのは面白いけど
アメコミ好きでも
ヒーロー好きでもなく、
切ないドラマを愛する自分は
田舎者のシャマラン作品の住人が
大都会へ意気揚々と赴く姿に
家族を見送るような
心寂しさを感じました(*´-`)ノ…
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