ねむ

今夜、ロマンス劇場でのねむのレビュー・感想・評価

今夜、ロマンス劇場で(2018年製作の映画)
3.8
宝塚で舞台化されたのを見て興味を持ち、本家の映画を鑑賞。同じ脚本家の方が書いたドラマを、先月まで観ていたところでもあった(ちなみにそのドラマと比べると結構共通点があり、この脚本家の美学というかフェチズムも感じました)。

尺も長くなく、まとまっており、画面はカラフルで可愛らしく、見やすくて泣けるところもある。浮世離れした美しい夢のヒロインが、何となくくすぶってる男の元に降臨する…という、あるあるあるー!な話(「ルビー・スパークス」なんかもそう)なんだけど、このヒロインが度を越して我がままで、取りつく島もないほど高飛車である…というところが、現代の映画としては絶妙なバランスだと思う。坂口健太郎を殺しかねなかったし(橋から落ちるところ)。綾瀬はるかだからギリセーフ。坂口健太郎も個人的には「ない寄りのあり」で踏みとどまった。

「カイロの紫のバラ」「ローマの休日」「ニューシネマパラダイス」「君に読む物語」あたりは確実に参照されてそうで、もっとあるかもしれないけどまとめ方がうまい。
往年の美男俳優、加藤剛氏の遺作だそうで、あまりにも真に迫った演技に切なくなった。ロマンチックなファンタジーで包みながら、当たり前の日常の素晴らしさ、ありがたさを思い出させるような作品。北村一輝がいいところを持っていく。
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