「独身は罪」という思想に統一された、ディストピアのような奇妙な世界の中で右往左往する男性が主人公。「独身は罪」だけならまだしも、強制婚活施設（こわい）で期日内にカップル成立できなかった人物は、動物に変えられてしまうという謎の設定が独特だった。
欧米のカップル重視文化に対する皮肉かな、と思って見てると、途中から「カップルは罪」という真逆の過激派レジスタンスゲリラみたいなのが出てくる（こわい）。常に表情が死んでる主人公は、どちらの集団に属していても無難であろうとしつつ、集団の思想とは反対方向に行ってしまい、トラブルを起こす。別に高尚な理想があるわけじゃないのに。
後半からは主人公とレジスタンスの女性との恋愛が中心になるけど、この映画の恋愛観もかなり身もふたもなくて、性的に魅力を感じるかどうかと、共通の欠落箇所を持っているかどうかで決まる。人間以外の目から見て、「恋愛」というものを一切の美化なく腑分けしてるような感じ。
言いたいことはありそうだけど、何が言いたいのかはよくわからなかった。キャストが豪華で先の読めない展開だから、よくわかんないなぁと思いながらも最後まで割と面白く観れた。
