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リバー・オブ・グラスの10000lyfhのレビュー・感想・評価

リバー・オブ・グラス(1994年製作の映画)
4.0
フロリダのハウスワイフが日常からの逃避行を試みるもうまくいかない。つかみどころのないオフビート感が充溢しているが、教科書に反するような下手な演出を、意図的に積み重ねた結果だと思う(例えば、主人公の父の刑事が、拳銃の紛失を上司に詰問されるシーンで、その上司の妻が意味ありげで実は意味のない存在感を示したり)。そのオフビート感が、ボニー&クライド的な刺激を渇望するも突破口が開きそうで開かない苛立ちや、自らの発砲も無事故だったと判明し犯罪ヒロインになれなかった失望感と、うまく噛み合い、気怠い日常を淀ませる。シーン切替り時に聞かれる父のジャズドラム、エンディングの音程はずれたグランジ系ロックも、映画のオフビート感をいい感じにブースト。メインテーマから外れるが、序盤、居心地の良いストレンジャーと共有する、リラックスとワクワクの入り混じったモメントを再現した「コージー」なバーのシーンが、赤いライトと共に印象に残った。日本語の観光ガイドって、監督、日本に何らかの興味あり?
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