あもすけ

ビューティフル・デイのあもすけのネタバレレビュー・内容・結末

ビューティフル・デイ(2017年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

列車の窓に頭をくっつけて夜を見つめながら、あの時もそれまでも、彼が生きてきた人生によるあの表情と感じて、ひとりの人生が過去から現在までの線だとして、動けているのは、続いている線のその先に向けて押されているようなところが大きいのだろうか。その場その場に決着をつけながら、次に向かうのにその動機を途切れさせないように、あとはもっと源となるものを持ちながら、何かを見ないようにして進むことで繋いでいるのだろうか。
何だったんだっけな、と振り返って思いながら、こんなんだったんだっけ、こうじゃなかったはず、と思いながら、それもまた生きてくのに明日に明後日にと繋ぐための何かを探してるのかもしれなくて、そういう繰り返しのなかで、ただこの日を、この瞬間を、点みたく認識できる感覚というのがあって、それは本当にたまーにほんのひとときだけの記憶なんだけど、その記憶に出てくるのは光とか風とか匂いとかで、だから、あーわかるかもこの感じ、と思ってしまった。
線がないとたぶん生きてけないというか、生きようと思えないかもしれなくて、でも網目みたくなって、絡まって、なんかゴチャゴチャでわかんなくなったりして、でもぶっちぎって点になる感覚そういえばあったな、と思い出したい。そしてそのぶっちぎりで撃ち抜いて脳漿ぶちまけてても誰も知らんし関係ないっていう見たままのあの場面素敵すぎてたまらなかった。すぐにまたきっとグシャグシャになるのだとしても、縦横奥行どこからでもの点になる瞬間があるのって救いよ。
あもすけ

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