重く嫌な内容だが、展開やキャストの素晴らしさにラスト不思議とスッキリとした、素敵な映画だった。
ホアキン・フェニックスの、昔感じた鬱陶しい程ギラギラした感じは無く、終始漂う陰鬱な表情と強い目力が作品ともマッチしていて痺れた。
元軍人で色々なトラウマを抱え、老いた母親と暮らす殺し屋ジョーを演じるホアキン・フェニックスが、少女誘拐と人身売買を行う組織を捜査し、少女を奪還すると言うストーリーだが、胸糞な陰謀に巻き込まれる陰湿過ぎる展開に、中盤から緊張感と、苛立ちで目が離せなかった。
ハンマーで犯罪者を殺す残虐性と狂気は、ジョーへの怖さを感じたが、それ以上に母親や、少女への優しい姿と、子供の頃から色々なトラウマを抱え苦しむ姿は、相乗効果で観ていて辛く、悲しくなるものが。
音楽の使い方や見せ方、展開の素晴らしさにのめり込んで鑑賞出来たし、残酷な内容でラスト直前まで最悪な気分だったが、最後の清々しさとも、何とも言えない気持ちいい内容は、素晴らしさを感じた。ただ胸糞で残酷な描写が多いので耐性がない方は注意が必要。